既刊紹介 『tax trap』『tax trap 2』『tax trap ー完全版ー』

強面で不愛想なノンケ保育士 ✖ 外面ジェントルマンで豹変男の税理士

攻め×攻め? 主導権争奪戦らぶ!

 

石飛佳威(いしとび・かい)・税理士

紳士で穏やかな知性派シングルファーザー……のはずが……

―無料で顧問税理士になってやるよ。その代わり俺と関係を続けろー

 

六車英亮(むぐるま・えいすけ)・保育士

クールで厳ついノンケ男。子どもと年寄りにしか心を開かない元不良だったのだが……

―こんなに一人の男に夢中になって抜けらんねーとか、俺的には予定外だ―

 

 六車英亮(むぐるま・えいすけ)は、老人ホームに入った祖父の自宅で、託児所を経営することとなった。だが、興味のないことにはとことん無頓着な性格が災いし、節税対策もせずに確定申告をしてしまう。そして、そのせいで高額な税金の請求をされ、途方に暮れることとなる。

 困り果てた六車は、園児の父兄の中に、税理士がいることに思い至り、思い切って相談してみることにした。石飛税理士は、同じ男として憧憬の念すら覚える「できる男」で、常に紳士然と微笑み、受け入れてくれるような器の大きさを持っていた。だからこそ、忙しい石飛佳威(いしとび・かい)の事務所を、緊張気味で訪ねてみたのだが、そこで六車は衝撃的な場面を目撃してしまう。

 六車は受け入れがたい事実を知らされてしまったが、石飛はそれを逆手にとって、六車に六車に体の関係を迫る。無料で顧問税理士を請け負うことを条件に出され、思いも寄らず自分の体が反応してしまったこともあり、六車は石飛と肌を慰め合う仲になる。

 石飛は、とんでもない豹変男ではあったが、仕事には誠実な人間だった。次第にそういう石飛へ惹かれていく六車だったが、ある時、石飛が大きな問題を抱えていることに気が付く。石飛を想う一心で、税務署、青色申告会、税理士事務所、それぞれが抱える闇に、素人の六車が挑む。

 

『tax trap ー完全版ー』は、『tax trap』『tax trap 2』を加筆修正した作品です。

 

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「tax trap 1-1」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「tax trap 1-2」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「tax trap 2-1」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

[R-18]「tax trap 2 無料配布」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

 

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『tax trap』

著者:曖いつあき

発行日:2016年12月30日

発行:妄想屋ねこのした

印刷:しまや出版

『tax trap 2』

著者:曖いつあき

発行日:2017年8月12日

発行:妄想屋ねこのした

印刷:しまや出版

『tax trap ー完全版ー』

著者:曖いつあき

発行日:2017年10月1日

発行:妄想屋ねこのした

印刷:しまや出版

 

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既刊紹介 『SCHEME』『SCHEME 2』『SCHEME 3』

裏社会ミステリーBL小説

 

トラブルを請け負う闇医者 ✖ 巻き込まれ体質の武闘派大学生

―根無し草の俺にとって、お前がいるところが俺の故郷になる。だから、離れるな。―

 

 大学進学と共に上京した儀暁(よしあき)は、慣れぬ都会生活の中、陥れられて借金を背負うことになる。闇の世界へと転がり落ち始めた青年は、裏社会の男たちに翻弄されるばかりでなく、大きなトラブルに巻き込まれ拉致監禁されることとなる。一緒に攫われたホストの蓮(れん)が事件の鍵を握っているようだったが、その真相は杳として知れない。ただ、監禁生活の中で与えられたものは、心の奥にしまっておいたはずの幼い恋心を思い出すきっかけだった。

 闇医者の諒(りょう)は、裏社会の揉め事を解決することを生業にしているが、蓮の拉致事件を追うこととなる。だが、救うことができたのは、蓮ではなく、共に連れ去られた儀暁だった。諒は初めて見る儀暁の姿に惹かれるが、それだけでは説明のつかない想いに駆られる。

 消えた蓮の居場所を探る中、諒と儀暁の交錯する過去も明らかになってくる。なぜ、諒は闇医者として裏社会に関わっているのか。諒と儀暁の過去に何があったのか。少しずつ謎が解き明かされるたびに、二人の想いも深まっていく。

 

 『SCHEME』、『SCHEME 2』、『SCHEME 3』と、シリーズが進むにつれて、興奮するほどに意外な展開が待っている。そして、『SCHEME』、『SCHEME 2』で解かれてきた糸も、実は『SCHEME 3』で大どんでん返しがある。たくさんの魅力的なキャラクターが登場し、その思惑が絡まり合うのも醍醐味となっている。ミステリーBLの世界をたっぷりと楽しめる作品。

 

 現在、スピンオフとして『CUNNING』という作品を執筆中。いずれ同人誌として頒布する予定。(導入部分は、無料配布小冊子として、イベントで配布済み。)

 

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「SCHEME(スキーム)」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「SCHEME(スキーム)2」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「SCHEME(スキーム)3」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「SCHEME(スキーム) 4」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

 

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SCHEME

著者:曖いつあき

発行日:2016年6月19日

発行:妄想屋ねこのした

印刷:しまや出版

SCHEME 2』

著者:曖いつあき

発行日:2017年3月5日

発行:妄想屋ねこのした

印刷:しまや出版

SCHEME 3』

著者:曖いつあき

発行日:2017年12月30日

発行:妄想屋ねこのした

印刷:しまや出版

 

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既刊紹介 『パラリーガル』『パラリーガル -case2-』

年下のノンケ弁護士秘書パラリーガル) ✖ 仕事人だけど恋に臆病な弁護士

―先生、俺の気持ち、わかってますよね?このまま俺に口説かれてくれませんか?―

 

本格的な事件を扱った法律事務所BL小説。

 

 カウンセラー志望で就活中の筧口深景(といぐちみかげ)は、思いがけぬきっかけで、弁護士・城代尚緯(じょうだいなおい)のもとで働くようになる。城代は人に利用されることが多く、一人で仕事を抱え込んでしまうお人よしなところがあった。だが、実のところ、それは人との摩擦を厭い、自分の領域に他者を立ち入らせないための処世術だった。人の心向きへの洞察力は鋭く、だが、自らの孤独な深淵を守るために穏やかさを装う。そういう城代へと、筧口はどうしようもなく惹かれていく。

 城代を傷つけて、その胸の内を暴いてでも彼を手に入れたい衝動に駆られ、筧口は城代にある事実を突きつける。専ら心理学に携わってきた筧口は、誠実に、しかし巧妙に城代へと迫っていく。だが、それでも城代は筧口を拒絶する。

 諦めきれない筧口は自らの進路を変える。当然のことながら、それは城代という男への恋慕ゆえだ。だが、それ以上に、城代の仕事への眼差しの中に、自分の追い求めていたものを見つけていたのだ。自分が人の心理を学ぶことで解消したかった蟠りが、そこにはあった。そして、それに対して真っ直ぐに切り込む城代の姿勢が、筧口には眩しかったのだ。

 事務所に持ち込まれる事件を解決していく中で、二人の関係が揺れ動き、縺れ、絡まり、そして、解かれ、二人の堪え切れずに持て余した恋心が爆ぜていく。不器用な大人の恋物語

 

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「パラリーガル case1-1」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「パラリーガル case1-2」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「パラリーガル 1-3」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「パラリーガル case2-1」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

「パラリーガル case2-2」/「曖いつあき@次は秋庭」の小説 [pixiv]

 

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パラリーガル

著者:曖いつあき

発行日:2016年3月21日

発行:妄想屋ねこのした

印刷:しまや出版

パラリーガル -case2-』

著者:曖いつあき

発行日:2016年10月2日

発行:妄想屋ねこのした

印刷:しまや出版

 

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宇野寧湖さん『The Beautiful People 』を読んで ― 2018年3月 J.GARDEN44 ―

 科学と宗教と思想は、社会構造の中で無力な個人を救済することはできるのだろうか。結核治療のサナトリウムに勤務する医師、診療所で礼拝を執り行う神父、そしてマルクス主義の末期の結核患者が、苦悶の中で人の死の意味を問う。そこで築かれる関係性には憧憬と慈しみがあり、友情を超えた絆は仄かに官能的な趣を想起させる。

 清正は病床から社会への復帰を志していたが、病状が悪化する中、マルクス主義とその啓蒙活動にかけた自らの青春と向き合うことになる。死を目前に忌み嫌っていたキリスト教へ転向することを決意し、社会構造を改革する夢を果たせなかった無力な自分を受け入れる。昭和の初めという時代設定のためだと考えられるが、清正のマルクス主義は、貧困層が現状を打破するために階級意識を持って行動を起こすべきだという経済的実践論だ。そこには、社会を構成する主体に刷り込まれたイデオロギーという概念が欠落している。つまり、個人の中には、社会倫理的意味合いや社会への政治的参与とは異なる無意識的観念がすでに刻み込まれていて、それは個人の存在条件となっているという点である。純粋な彼は無邪気にも社会構造や人々の認識を根底から覆すことができると信じて疑わず、そこに清正の絶望や転向の契機があったように思われる。そういう意味で、物語の中では、マルクス主義は戦えなくなった者へある種冷酷な側面があるように描かれている。

 それに対し、清正の主治医である狭間は、科学的な認識が内在させるイデオロギー的な要素と自分の職責に、折り合いをつけることができない。目の前にいる末期患者に対し自分が無力であることに、倫理的な葛藤を抱えているのだが、それよりも根深く、科学的世界との携わり方の本質に苦悩しているように思われる。医師として唯物論的な発言をする裏で、実際には誰よりも人の高潔な魂を信じたい人物像として登場する。

 狭間は理想主義の清正に対して現実の死を突き付けたい苛立ちに駆られる。その反面、死期が近付くと、生き延びてほしいと切実に願い、その自己矛盾の感情に苛まれる。清正はその優しすぎる医師が傷つくのを嫌い、彼を救おうとする。

 そのような二人の関係を、桐神父は鋭い観察眼をもって受容する。その聖職者は一見俗物的な人物像とも受け取られるが、実のところ、自分の属するキリスト教界の権力関係へ極めて自己批判的な視座を持つ切れ者である。飢えと病に侵されたコミュニティーが、机上の理想論とは懸け離れた現実であること。それは、凄惨な死の前では神の救済すら意味を持たぬこと。宗教では真の死の恐怖を払拭し切ることはできないこと。そして、自らの思考を支配されることを畏怖する人にとっては、神による救いが暴力的にもなり得ること。それらをすべて理解したうえで、恐怖の只中にいる人へ、神に縋るよう促す。

 それでも狭間は神による救済を拒む。その足掻きは自分を許してしまうことへの嫌悪のようで、読者に痛烈な響きをもたらす。科学も宗教も思想もそれぞれ、世界へ投げ掛ける眼差しの知でありながら、結局、どれも死にゆく小さな人の前では無力である。それでも、登場人物たちは、その知性の限界の縁に佇むことしかできない。キリスト復活の印として提示される白百合が、彼らの孤独の傍らにただ優しく寄り添うだけである。

 

 

宇野寧湖さん

『The Beautiful People 』

発行:2018年3月4日

印刷:プリントオン

新天使出版会

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Twitter:@unonei_mbsp